日本橋川から分岐し隅田川に注ぐ亀島川。その第一橋梁である南高橋は、部材が格点でピン結合されている、いわゆるピントラス橋である。初期のトラス橋に多く用いられた構造で、見るからに古めかしい。両国橋(隅田川)の転用なのだそうだ。
1904(明治34)年に架設された3連トラスの両国橋は関東大震災で被災(床板の消失など)し、帝都復興計画で1932(昭和7)年に架け替えられた(現在の両国橋はこちらを参照)。その際に不要となった中央径間のトラスを一部補強し、幅員を狭くしたうえで南高橋として架設したという。1989(平成元)年には美化工事が行われ、かつての両国橋の装飾が復元された。ますます歴史を感じさせる姿である。
歴史的価値が高いことはすでに周知で、中央区民有形文化財に指定されていることを示した案内板が橋詰めにある。
諸元(1, 2) |
橋長 |
63.10 m |
幅員 |
11.0 m(車道6 m+歩道2×2.5 m) |
竣工 |
1932(昭和7)年3月 |
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参考文献 |
(1) |
成瀬輝男編、鉄の橋百選 |
(2) |
伊東孝著、東京の橋 |
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図-1:右岸橋詰めから
図-2:側面形
図-3:横構の様子
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図-4:垂直材
図-5:下弦材
図-6:橋端上部の格点
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